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11.06

『夜明けまでバス停で』

藤井隆が薦めてたので、高橋伴明監督『夜明けまでバス停で』を見に行った(正直高橋監督の作品見るの20年ぶりくらいかも…)。
2020年東京で実際に起こったバス停で女性ホームレスが殴り殺された事件を元に作られたお話。主演の板谷由夏がどこにでもいる焼き鳥屋の住み込みパートさん(独身)、しかしコロナ禍の波に飲まれて一方的に仕事はクビになり、そこからあれよあれよと貯金も住む家もなくなっていく様が、本当に見てて胸が痛い。あまりにあっという間過ぎて本当に怖い。ナチュラルにネトウヨな一般人、主人公自身も結構アホ(周りに頼らない)、そういうリアルさもゾクゾクする。最近の太りっぷりを見るに完全にイケメン枠から降りた三浦貴大くんのウザ過ぎ上司もヤバかった。これは妙齢の女性にとって相当なホラーかと(現実の犯人も相手が男なら事件を起こさなかっただろうし)。監督はこの世界に怒ってるんだなあと思うけれど、まあ、普通は怒るよね…。
大袈裟すぎる音楽が本気なのかふざけてるのか、ちょっと判断しかねた。板谷由夏は目の下のクマも隠さず頑張ってたと思うけど、そんなにアップにしなくてもとちょっと思った。
で、最後までこのリアル路線でいくと思い込んでたのにまさかの展開にまさかのラストには大いに笑ってしまった。柄本明演じる「バクダン」のキャラクターに問題有りと言う人(実際こんな人と飲み屋とかで遭遇したくないし…)はいるだろうけど、私は、これはこれで夢があっていいなと思います。結果、こんな映画を薦める藤井隆への愛がいや増すばかり。