『ドント・ウォーリー・ダーリン』
お、オリヴィア・ワイルド監督の新作やと『ドント・ウォーリー・ダーリン』を、なんの前情報も知らずに見てみて、想像と違った作風にちょっと驚いたし、それがめっちゃおもろかった!ってわけでもないけど(長い)、でも、オリヴィア監督は前作(監督デビュー作)『ブックスマート』で、ふたりの女子高生を中心に多様なティーンたちの日常をイケてる音楽に乗せてポップ且つ超真面目に描き、世界中の映画好きや批評家から(=男)絶賛されて、そしてそのあとに、こんなにゴリゴリのフェミニズム映画、家父長制コロス映画を撮ったことが「ああやっぱり信用できる監督なのね」と嬉しくなりました。お前らに褒められても全然嬉しくねえんだよキモイシネという監督の心の声が私には伝わったよと、もし会う機会があったら直接伝えたいよ。まだお若いのにそういう苦労は人一倍ありそうなタイプやしね。イーストウッドに酷いことされたりね。
今回主演のフローレンス・ピューちゃんはまた『ミッドサマー』みたいな役だったけど、豊満な身体とたっぷりとした髪の毛、あの低い声、非常に魅力的で、その全力疾走がまた良かった。
夫役のハリー・スタイルズはBTSとも仲良しだし自分の恋人が撮る映画でこんな最低な役を演じるなんて、本当にええ奴なんだろうと思う。圧巻のクンニシーンもお見事でした。
でもでも、何事においても進んでいると思っていたアメリカでさえも今だに「専業主婦」をテーマにこんな映画(内容を説明するだけで大いなるネタバレになるので書けない)が作られることはちょっと意外だった。未だ夫婦別姓さえ認められない日本だと本気で「まともな人間が政治をしてる国とは思えない、なにか裏があるんじゃないか」と疑いたくもなるし、実際その正体は統一教会でした〜という笑えないオチまで揃ってるけどさ。泣ける。