『母性』
ある日の昼下がり、ボーッと映画.comを見ていてハッと気付いた「いくらなんでも廣木隆一映画撮り過ぎじゃね?!」問題に。今年だけで公開作5本、昨年はNetflix作品まで手掛けている。私の中では中学生のときに見た『夢魔』(94年)の人のイメージ(もちろんそれ以降のメジャー作品か何本も見ているが…)なのに、何がどうなってこんな人気監督になっているのかを調べるため、とりあえず現在公開中の『母性』を見にgojo は劇場に走った(『あちらにいる鬼』を見る勇気はなかった、ごめん)。
多分これはほとんど原作通りの物語と展開なんだろう、だから内容がつまらないのは原作小説が原因だとして、戸田恵梨香演じる母親のキャラクターが常軌を逸しているとは言え、映画全体で「理解できない」とか「難しい」ことはひとつもなく、非常に明瞭。物語の要となる「母性」や「大人の弱さ」の部分も娘役の永野芽郁がほとんどセリフで話してくれるし、頭使わず見れます。
で、「お、ここは監督さすがに気合入ってるな!」と感じるような演出も特にひとつもなく、個人的な感想としては、「廣木監督、この映画に興味なかったのかな…」と…。もうちょっと何かあってもよかったんじゃないの…。
しかしそんな感じで当たり障りのない映画を撮りまくってるうちに今みたいな事態になったと憶測するも、それが「職業監督」ってのともちょっと違うのよね。なんやろ、この軽さはあんまり良くない気がする。全然知らないけどここまで仕事が来るってことはきっと相当良い方なんだろう、でもそろそろ若手監督に仕事を回してあげてもいいんじゃないでしょうか…。いやマジで全然知らんねんけど。
てかさ、『母性』の中で一番頭おかしいのって大地真央でも戸田恵梨香でも高畑淳子でもなく、三浦誠己演じる父親やと思うねんけど、そこはさらっと流して、あくまで「母親たち物語」にしてるこの原作は相当に酷い。