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2.13

『ほどけそうな、息』他

Twitterで見かけて、こんな映画があるのかと気になったので久々吉祥寺まで足を運んで、小澤雅人監督『ほどけそうな、息』(22年)を見てみた。関係ないけど土曜の吉祥寺は何かのお祭りかってくらいに家族づれで盛り上がってるのな。
すべての子どもが心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮できるように家族等を援助し、ともに考え、問題を解決していく専門の相談機関である「児童相談所」略して児相、新卒で職員としてそこで働く主人公カスミちゃんの、葛藤したり失敗したり努力したりする姿を通して、一般的にあまりなじみのない児相という場所、職員(児童福祉司)のリアルな様子を垣間見る。
冒頭の、問題のある親から子どもを保護する方法が中々衝撃的で、「こんなこともするんや!」と早速勉強になり、主人公の懐疑的な様も、悪気なく犯してしまうミスも、絶対に私でも同じことするだろうし、なんて難しい仕事なんだ大変過ぎるとびびる。
すごく大事な仕事なのに今まであまりよく知らなかった児相の様子や取り巻く人たちの姿なんてほとんど見たことなかったから、見れてよかったしこういう映画があるのはいいことだ。ただカスミちゃん、彼氏にはもうちょっと優しくしてあげてほしい。
同時上映の『まだ見ぬあなたへ』(19年)も、予期せぬ妊娠で自殺まで考えるほど追い詰められた女子高生に、学校の司書である若い女性が、彼女の話を聞き、彼女にとって現実的で最適な選択肢が社会には存在する(養子)と教える、という非常に正しく教育的だけど、映画自体に説教臭さはまったくなく、こういう映画こそ学校で上映するべきなんじゃないかと思いますよ本当に。

上映後にはみんな大好き「ねほりんぱほりん」(Eテレ)のディレクター山登宏史さんのトーク、お若いのにすっごいしっかり良い仕事してて、NHKも捨てたもんじゃないんだなと感動しました。