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2.28

『#マンホール』

映画館での予告で「ベルリン映画祭正式出品決定!」の文字を見て「今年のベルリンはアニメとジャニーズかよ大丈夫か」と不安になっていたけれど、何気にこれ熊切和嘉監督だったんですね『#マンホール』。そして撮影は今をときめく月永雄大(照明は秋山恵二郎)、音楽は渡辺琢磨とガチめの布陣にしては漫画みたいな映画やなとは思ったけど、マンホールというワンシュチュエーションものからサスペンスへ移行するあたり、普通にドキドキできて、それなりに楽しむ。ネタバレ厳禁ものなので予告ではその辺全然伝わらないけど、結構衝撃の展開よ。
社長の娘との結婚式前日、渋谷にて同僚たちとの飲み会のあと酔っ払ってフラフラ、足を踏み外し、気が付いたときにはマンホールらしき穴の中で負傷。そこからどう脱出するか、アカウント名を女性に設定してのSNSの使い方はリアルでおもしろかった。そこは渋谷なのか?
前半、「主人公の青年、ハイスペエリートの割にはちょいちょい性格うっとおしいな?」と思っていたが、後半にかけてこいつは徹頭徹尾クソ野郎なんだと明らかになるあたり、中島裕翔くん上手く演じてたし、ジャニーズなのにこんな救いようなく最低な役、よく頑張ったと思う。ほぼ彼しか登場しないけどダレずに見れた。
不潔なマンホールの美術も気合が入ってて本気で気持ち悪かったし、あのマンホールに響く渡辺琢磨の不穏なノイズ、劇場内は若い女の子で大盛況やったけど、彼女たちになんかしらの傷跡を残すことには成功してるであろう。
シネコンでかかる邦画は、無駄に難病になったり無駄にキラキラしたり無駄に福田雄一したりせず、99分でこれくらいのエンタメを作り続けるべし。