3.06
『バビロン』
マーゴット・ロビーがマーゴット・ロビー過ぎた(決して幸福になれない美人)こと以外そないムカつくこともなかった、デイミアン・チャゼル監督『バビロン』。38歳の高学歴青年が無邪気に大金かけて映画撮ってるなあって感じで、189分もさほど気にならず。若者に優しいのでね、私。
冒頭のハリウッド狂乱の時代の宴、あのマーゴット・ロビーのダンスは本当に素晴らしかったし、糞やゲロの撮り方も露悪的とは思わないし(その辺がさすがハーバードって感じよね)、サイレント時代の現場の様子もあんなけ気合い入れて作ってくれたら結構楽しんだし(でもあのサイレントの字幕とか、サイレント映画を見たことない若者は何だと思ったんでしょうね)。
トビー・マグワイアが札束を偽札だと気づくまでのあの意味不明過ぎる見世物小屋のくだり、あのしょーもないことへの手間と時間のかかり方が、この映画の、監督がやりたいこと(チャゼルなりの映画史的な)のために意味不明に頑張った189分のような。それでまあ「そんなことお前に言われんでも知っとるわ!」と怒る気にもならない感じ。と、『ファーストマン』以来嫌いになれないチャゼルくん。最後『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいになってるとこと、流れる過去の名作映画の映像の中に『アバター』があったのにはちょっと笑ってしまったけど。
後半のブラッド・ピッドがあまりにもただの鬱のおじさんで、さすがに可哀想だった。あとあの主演のディエゴ・カルバくん、声が東出昌大そっくりで、途中から東出にしか見えなかった。