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3.10

『別れる決心』

本当にごめんなさいね、ただの私の怠惰で、パク・チャヌク監督の映画って『オールドボーイ』(03年)『お嬢さん』(16年)しか見てないうえに、パク監督の作品に挟み込まれる韓国の(苦難の)歴史みたいなものを正確に理解できてる自信はまったくないのよ。そのうえで、個人的には『お嬢さん』は全然乗れなかったのね。その主な理由が「大人が真剣に見るもんちゃうやろ〜」(=それをかつて青山真治監督が「ジブリの実写化みたい」と上手いこと言ってくれてた)なんだけど、今回の『別れる決心』にも近いものを感じた(監督がHPでがっつり「大人のための映画です」と宣言してるけど… )。
見ながら、ヒッチコックや増村保造がお好きなんだなってことは十二分に伝わったけど、伝わってるからそんなにはしゃぐな落ち着けよ、と言いたくなる、そういう無邪気なところに興ざめしてしまった。これは仲良しらしいポン・ジュノにも似たようなことを感じる。
それと、これは演出のせいなのか脚本のせいなのか、シンプルに描けばいいものを物語をパズルのように散りばめて、それをやたらと複雑な編集でつないで、最後に答えがわかるみたいなの、たいして面白くないからもうやめた方がいいんじゃないか(同じ脚本家の『お嬢さん』ドラマ「シスターズ」でも思った)。あれのせいで無駄に長くなってる、体感『バビロン』より長かった。あと、禁断の関係を手が触れ合うのか?合わないのか?みたいにプラトニックのまま破滅にまで持っていく話かと思っていたら中途半端にキスしたのは何故?!
いやしかし美術や衣装の美しさには嘆息したし、タン・ウェイは素晴らしい。彼女とかスー・チーとか、たぬき顔の中国美人が好き。主人公が妻とセックス中にTVガン見してるところは爆笑した。