3.23
『唯一、ゲルオギア』
こんなに好きや好きや言うてるわりに全然通えてない「オタール・イオセリアーニ映画祭〜ジョージア、そしてパリ」ですが、今回はこれ『唯一、ゲオルギア』(94年)が見れたのでほぼ満足。
3部構成、全246分とかなりの大物ドキュメンタリーやけど、約4時間でジョージア(ゲオルギア)の千年近い歴史を勉強できると思えばお得な気分に。
監督自身は1979年にパリに拠点を移しているものの、それ以前からそれ以降も、本来は平和なはずの祖国は昔も今もロシアがいらんことばっかりしてきて政治は混乱、ついには内戦まで起こってしまう始末に。その過酷過ぎる歴史に震える。
このロシアとジョージアの関係が、やっぱり今のロシアとウクライナを思わずにはいられず、マジでロシアいい加減にしろよと怒りに燃える。これはイオセリアーニ版『RRR』か。違うか。
とにかく、第三部の戦地でのロシア軍に虐待されたガチ死体、あそこまで衝撃的な映像は本気で生まれて初めて見た。本当に恐ろしかった。あれをさらっと入れ込むイオセリアーニも恐ろしい。
そんな辛い歴史の中にも紹介されるジョージアの文化、特にジョージア映画なんてほとんど見たことないから新鮮だったし、登場する知識人たち(ひとりもわからんかったけど…)の知的で熱くて、みんなかっこ良し。いつか行ってみたいわね。
あのイオセリアーニのノンシャラン映画の裏には計り知れない怒りがあって、だからこそのあの態度なんだということがはっきりと伝わって、改めて惚れ直させていただきました。