5.23
『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コルメス河畔通り23番地』
ワイスピ体験の翌日、その興奮も醒めやらぬうちにいつぶりか思い出せない日仏学院に向かい、「やっと会えたね…」と、ジャンヌ・アケルマン監督『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コルメス河畔通り23番地』(75年)を。ディエルマンだからか日仏だからか、観客は若くてお洒落な男女が多数。大阪ではシネ・ヌーヴォさんで絶賛特集中。
70年代の女性監督がこのタイトルでそれが今超再評価されてると聞けばだいたいどんな感じの映画かは想像がつくくらいにフェミニストやらさせてもらってますけど、実際に200分スクリーンで実際見るのは中々強烈な体験でございました。
どこまでもクールな演出とカメラの距離、女優の無表情、そこからじわじわと伝わってくる怒りや憎しみ。辛くて怖いけどこれは知ってる怒りと憎しみ。こんなねちねちした緊張感を描いてくれる映画は初めて見たし、これが75年に女性によって撮られたってことは本当に凄い。
しかし当時から現在の男性にとって相も変わらず「家事をする母親」(「売春する女性」)なんて自然現象の一部のような存在だろうに、今この映画を絶賛する男性の意見がすごく聞きたい、けど聞いたらめっちゃムカついて殺してしまいそうなのでやっぱりやめよう。