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5.24

『E.O イーオー』

見終わってまず「85歳のおじい、かっこよ過ぎるやろ!!」と叫んでしまった、イエジー・スコリモフスキ監督最新作『E.O イーオー』。凄かった。
かわいいかわいいロバのE.Oくん(オスよね、多分)、動物愛護団体の善意によりサーカスから解放されたはずが、愛する人間とははなればなれに、そこからイーオーくんの受難の旅が始まる…。
怖い森だったりテンション高い馬たちだったりに出会いつつ、牧場の人間やクレイジーなサッカー馬鹿たちと出会ったりして、イーオーくんがかわいいから見てられるけど登場する人間の9割がクソ野郎なのがしんどい。それをイーオーくん目線で見せられるて辛い。あの女の子も中途半端に会いにくんなよな。怒。
で、そこに流れる中原昌也のライブでしか聴いたことのないようなノイズミュージック、キマりまくった赤い光、疾走するヒュンダイのロボット。ぱっかぱっかと、決してダッシュすることなくあちこちを歩くイーオーくんはそんなことお構いなしに歩き続けるだけで面白いから素晴らしい。ロバ最高。
と思ったら突然のユペールさま。義理の息子との感情的なやりとりから突然のあの展開は「ユペールさまはやっぱりまだまだ現役!」とちょっと笑ってしまった。
で、なんの希望もないラストね…。辛。あそこの牛たちくたびれ過ぎで怖いよ…。
ひたすら主人公がひーこら歩く映画なんやっけ、『エッセンシャル・キリング』(10年)か思い出したりしたが、イーオーくんは授乳中のおっぱいにむしゃぶりついたりしないので、ギャロの負け。