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6.14

『凪の憂鬱』

ご縁があって、磯部鉄平監督『凪の憂鬱』を全体的に池袋北口感が激しい十三にて鑑賞。高校生のときあまりのガラの悪さにこの劇場来るの怖かったの思い出す。
一応YouTubeなどで公開されてるミニドラマシリーズの続編らしいが、そんなことは知らずに見ても全然大丈夫かと。大阪の町を舞台に、契約社員・凪の1週間の有給休暇、突然恋人に振られたり怪談に誘われたりゲートボール大会に動員されたりMVの撮影を手伝ったり、巻き込まれ続ける日々の日記のような映画。主演の辻凪子さんの巻き込まれ芝居の器用さ、それを見てるだけで満たされる部分有り。
磯部監督の作品は初めて拝見したけれど、演出も編集も最初から最後までまったく違和感も不快さもなく立派、特に多数登場するお年寄りたちの、大阪のその辺のおばちゃんおっちゃんなのかプロの役者なのかわからない人たちを面白く魅力的に撮るのが本当にお上手でいたく感心しました。こういうのも才能よね。ゲイトボールのシーンと、先輩と絨毯運んでるシーン素晴らしかった。
ただ、私がここ数年疑問に思ってる、「まあまあ大人の男性監督がわざわざ若い女性のドラマを撮るのなんでだろ問題」がここでも発生。まあまあ大人の男性と若い女性ってかなり真逆な存在だと思うねんけど。
例えば、いくら友だちに囲まれて楽しく生きてても、独り身の若い女性が社会の中でなんの不安もなく日々笑って生活してるとは思えないけど、そういう映画(「まあまあ大人の…」)の中の若い女性は往々にしてとんちんかんな苦悩を吐露したりするだけで、ただのバカにしか見えないことが多い。なのに撮りたがる。今泉とか。誰か私にこのまあまあ大人の男性監督の心理を解説してほしい。