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7.23

『君たちはどう生きるか』

その日は最初からおかしかったのよ。昼ごはんを食べようと近所の大好きなラーメン屋に行くと、いつもは絶対確認するのに、うっかり定休日。ガッカリしながらとりあえず持ってきた衣服をクリーニングに出そうとしたらそれまで年中無休だったお店が突然の定休日制に変更でまさかのお休み。気持ちを入れ替えて新宿に出て、サクッと用事を済ませたあとちょっと買い物でもして映画を見る予定だったのに、その用事が思いのほか時間かかって、小走りで映画館に向かうもまさかの映画館間違い。そこから本来の映画館に向かっても私の足では到底上映時間に間に合いそうになく、すべてがどうでもよくなって、近くの劇場で見れそうなやつでええわと調べたところこれが最適だったので投げやりに見てみた、宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』。HPもないのか。
ご存知の通り宮崎監督のいい観客でもない私にとって引退作だからといって特に興味があったわけでもなかったが、これはなかなかおもしろかった。
まずアニメとしての表現、絵の力が凄いなあと感心、その辺に関する詳しい解説は村上隆がTwitterで書いてくれてて、それは多分ほぼ正しくて、今更ながら駿の絵描きとしての優秀さを知る。
そして内容も、駿の妄想爆発メタバース、って感じで、引退作にこんなわけのわからんもん作って、若者へのメッセージも何も、自分と母親の関係にしか興味のないような世界もここまで来れば立派な気がする。ある意味アグレッシブかと。珍しく母親の扱いがキモくなく、それなりにケリもついてたし。
しかしさりげに名前も変わって、まさかとは思うがこれから新生宮﨑駿として活動するとか言わないよね…。いや別にそれでもいいけど。
あのキャラのあの声が菅田くんとはまったく気づかなかった!キムタクの配役はかなり最高であった。やたらと血気盛んなセキセイインコたちがお気に入り。