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8.14

『星くずの片隅で』

久しぶりに香港映画でもと、ラム・サム監督『星くずの片隅で』を。
コロナ禍真っ最中の香港、静まり返った街で清掃業を営むザクとシングルマザーのキャンディの物語。素直に良い映画で、こんな私でも心洗われましたね…。
ある程度社会的地位のある年上男性と、恵まれない環境にある若い女性が、恋愛関係には決してならず、お互いの良心だけで強い繋がりをもったり、友人たち含め疑似家族的な空気が漂うあたりに、あの坂本龍一も大好きだったという韓国ドラマの傑作「マイ・ディア・ミスター」を強く思い出したのは私だけだろうか。貧困、親子連れ万引き、確かに『万引き家族』とも被るかもしれんけど、やってること真逆過ぎて是枝泣きたくならないかな。
ザクもキャンディも母や娘を守るために懸命に生きてるだけなのにマスクもまともに買えない状況から脱することもできず、なんなら事態は悪化するばかりの現実に、こういう映画が作られたことがせめてもの救い。監督さんはお若いのに立派。コロナ禍のあの街が死んでる感じ、映像で見るとほんとゾッとした。
めっちゃええ奴のザクを演じる役者さん、ほぼトータルテンボスの大村。すごくいいんだけどね、ちょっと大村過ぎた。
キャンディ演じるアンジェラ・ユンの可愛さよ。特に前半、これはスタイリストが優秀だと思うけど、完全に今最先端のY2Kファッションに身を包んだスタイル良過ぎアジア人、彼女がNewJeansのメンバーだよと言われても信じた(まあそこから地味な格好にノーメイクになるきっかけが辛過ぎるんだけど…)。生意気な娘も可愛い、みんな幸せになって欲しい。