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8.18

『ミャンマー・ダイアリーズ』

興味のあった作品が同じ劇場で続けて上映していたので、『ミャンマー・ダイアリーズ』
21年からの軍による独裁政治に抵抗する市民たちを捉えたドキュメンタリー、軍に都合が悪い情報を発信すると処罰の対象になるため、この映画はミャンマーの若手作家たちが匿名で結成した「ミャンマー・フィルム・コレクティブ」による監督となっている、という冒頭の説明から、「なるほど『理大囲城』とか、『ウィンター・オン・ファイヤー:ウクライナ、自由への戦い』みたいな、臨場感と緊張感のある軍との戦いの現場を捉えたドキュメンタリーなのだな」と勝手に解釈した私が悪かったのか。
スマホで撮影された、まさに警察と市民が衝突している荒い画像や、警察集団相手にひとりブチ切れ、罵倒し続けるミャンマーおばあ、理由もわからず家族が逮捕されることに怒りの声を上げる子どもの悲鳴、といった生々しい日常の様子は非常にショッキングで深刻なものだったのだが、そこにちょいちょい挟まれるミャンマー人監督によるフィクションパートが、なんともポエティックで、無駄にアーティスティックで、「これ要らんなあ…」とモヤモヤ…。真っ赤なマネキュアでタバコ吸う女のシルエット、昭和のカラオケ映像っぽいのよ。ミャンマーの惨状を世界に伝えたいなら絶対これじゃないと思うだけど…。まあ、ただハードなだけの作品にしたくなかったという気持ちもわかるけれども。
しかし、この鑑賞料金がミャンマー支援につながるならば、見てよかった。