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8.21

「みんなのジャック・ロジェ」

大好きな監督やから全作品見たいなーと思ってたけどこの猛暑の中では今回日本初公開の二本が精一杯であった、「みんなのジャック・ロジェ」
『フィフィ・マルタンガル』(01年)、ロジェといえばバカンスでしょ、とか思ってた薄い知識が一蹴される、あまりにも無茶苦茶な演劇?舞台裏?カジノ?の映画で、その適当っぽさがロジェらしいといばらしいけれど、さすがにちょっとついていけない部分も幾つか有り…。本筋に全然関係ないカジノのシーンをあんな丁寧に撮ってるのなんで?!とか、突然舞台の本番中にフラメンコ踊っていいの?!とか、ほんであの骨折した俳優さん放ったらかしなん?!とか思ってしまったけど、その何が起こるかわからない感じがまさにバカンス映画と言えるのか…。言えるのか?!
『トルテュ島の遭難者たち』(74年)、冒頭の怪しげなモノローグ、は?みたいな展開の結果白人おじさん(主人公)が黒人娘とセックスしてる、なんだかアダルトな雰囲気ね、と思った数分後にはバカンスで南の島に行ったはずのツアー客たちが無人島で遭難していた…。主人公の浮気はどうなったんだ…。
まあ一応話の筋的なものはあるんだけど、そんなことどうでもよくなるくらいに、この無人島での遭難っぷりが過酷で、マジで俳優も監督もスタッフも本気で遭難しながら撮ってるんじゃないかと思ってしまうくらいに体張ってジャングルの獣道を大量の荷物背負って歩いてる。こんな映画は他に見たことがない。
それでもそこに切羽詰まった緊張感みたいなものは感じられず、あっけらかんと遭難からは抜け出し、結局みんなそれなりにバカンスをゲットしてたりする。
この不思議な感覚、はちゃめちゃな面白さ、これは一体なんなんだ、と慄いていたところ、上映後の葛生賢氏のトークで、ロジェの撮る「冒険映画」の意味、役者の反応や撮影そのものが冒険でありその記録としての「冒険映画」というお話にひざを打つ。あと、かなり酷い目にあってた主人公の俳優さんが当時フランスでは有名な人気俳優と知り、そんな人にあんな危険なことさせるロジェすげえとびびった。お勉強になりました。