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9.03

『エドワード・ヤンの恋愛時代』

高校生のときのVHSで見たような気はするがなんにも覚えていないので、『エドワード・ヤンの恋愛時代』(94年、原題は『独立時代』なんだってね)4Kを。
90年代前半の台北、スクリーンから伝わるバブル感、どうやら金持ちの娘らしい経営者のモーリー(蓮舫似)と、その会社で働く親友のチチ(ヘップバーン似)と、彼女たちを中心に婚約者や姉妹、同級生などの男女10人を巡る数日間の群像劇。
なんてことない、誰かと誰かが喋ったあとはまた誰かと誰かが喋ってる、ヒステリックに喧嘩したかと思えば仲直りしてる、その繰り返しなだけなのに本当に凄い。何度も何度も「何をどうやったらこんなシーンが、こんな会話が撮れるんだ」と驚愕、男と女の痴話喧嘩や女同士の友情と嫉妬の関係、いつの時代にもあるものが、この時代のこの場所(90年代前半の台北)の色々なものを強く強く感じさせる、坂本裕二に抱いた夢がここに…。二度とこんな映画は見れないしこんな時代は来ないという切なさも有り。
この、モーリー(蓮舫似)とチチの関係というか行動がクィア的って言うの?若い頃から近過ぎる場所にいる女友だちに抱く感情や行動としてはすっごいあるあるやななんで監督はこんなこと知ってるんやろ、と思いながら見てたんだけど。あと、あのアジア的な家族の繋がりも日本より韓国の方が近い感じがして、うざ味が身に染みた。
しかし出てくる男は基本的にクズ男ばかりで、あの税理士だか会計士だかがキモ過ぎたぜ。唯一「恋がどういうものかわからないんだ」と呟く財閥のぼんぼんが可愛かった。