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9.18

『アステロイド・シティ』

あれは『ライフ・アクアティック』の頃でしょうか、新宿のとある飲み屋で故青山真治監督に「お前は全然ウェス・アンダーソンをわかってない」と説教を受けたトラウマで、新作が公開されるたび「どうせ私にはわからないんだ…」という気持ちを抱えながら見にいくウェス・アンダーソン監督最新作『アステロイド・シティ』は、確かに色々わからないことが多過ぎて、でも今までのウェス監督映画とはなんか違うようで、大変面白かったんだけどそのすべては的外れなのかも知れない。うじうじ。宇宙人がおもろいのは確実。
今までの、あのウェス・アンダーソンの世界、「完璧に作られた可愛くてオシャレな舞台で展開する物語」、が、実は劇作家の頭の中で作られた世界であるというネタバレを早々にしつつ、でも可愛くてオシャレな物語(核実験しまくってたけど…)がどんどん展開する中でその劇作家は事故って死んだりして、でも物語は続いていって…。
これまで散々自分の頭の中を完璧に再現した世界を映画にしてきた人がこんなことして、この先どうするつもりなんやろとドキドキしたが、実は今作を見る前は「また同じようなウェス・アンダーソン感なら別に見なくてもいいかな…」くらいに思ってたのが、見たあとは俄然もっと見たくなっている。
あのふざけた(ティム・バートン味)宇宙人を見上げる町の人の首が直角に曲がり過ぎで痛くないのかなと心配になった。