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9.22

『春に散る』

沢木耕太郎が原作で佐藤浩市と横浜流星が主演のボクシング映画と聞いて想像した内容と実際の映画のストーリーは5ミリくらいしか誤差がなかったけれど、Zの熱がこれでもかと伝わってきて嫌いになれない、瀬々敬久監督『春に散る』
あんまり知らんけど横浜流星くんってのは今めちゃくちゃ人気の若手俳優さんなのだなと珍しく事前情報を入れたのに、映画が始まって数分後には佐藤浩市と鶴太郎(ヨガ)と哀川翔の共同生活が始まって、「思ってたんとちゃう…」と狼狽える。しかも鶴太郎が意外とまとも。
もちろんその後にはヤンチャな流星くんが登場、佐藤浩市と揉めたりしながらもいつしかふたりで世界を目指す師弟関係に。一年以上の時間の流れをかなり大胆に省略に次ぐ省略、過去にはチャンピオンだったらしい浩市の回想やモノローグも一切なし、これくらいで丁度いい(それでも133分あるし)。でも一番の見せ場の流星とライバル窪田正孝のガチ試合、ふたりとも体もボクシングも本気で仕上げてさすがの迫力な殴り合い、ここを12R全部見せたのは熱かったぜ…。
久しぶりに見た山口智子が結構がっつり出てて、いい感じに老けててよかった。芸能界に入って初めてまともな仕事をさせてもらえたんじゃないかな橋本環奈、メイクが薄めなだけであんなに幸薄顔になるとは。苦手な窪田正孝も変なキャラで悪くなかった、坂東龍汰という俳優さんが気になった。全体的に俳優が良かったのはやっぱりZの力なのだろう。
このラストに感動するわけではないけれど、見たあとボクシングが美しいスポーツに思えたのは新鮮でした。