9.27
『オオカミの家』
私は子どもの頃からストップモーションアニメが大好きで、『ウォレスとグルミット』は日本で紹介される前から輸入版のVHSを探して見ていたり、『メアリー&マックス』は今でもDVDを持っていたりするんですよ。なので「チリのストップモーションアニメなんか見たことない、楽しみ!」とワクワクしながらクリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ監督『オオカミの家』(HPの撮影風景の写真、すごい)(18年)、「なんこれ!」とZAZYよりも叫びながら見てた。
とにかく、最初から最後まで生まれて初めて見る表現。74分間ワンシーンワンカット、と言うより、閉ざされた空間の中でひたすら変容を繰り返し、壁に伸びる絵の具、崩壊する人間、人間に変化する豚…と言葉で説明しても絶対伝わらない異形感、これは見るしかない。家のテレビより映画館が絶対お勧め。
そんな世界に突然ホンモノの家具(ミニチュアじゃないんですって)が現れたときの妙な生々しさ、私としたことが途中一瞬寝落ちしたのですがハッと目が覚めてもまだその世界が続いてる悪夢の中にいる感覚。貴重な体験でございました、満足。
がしかし!この映画の「物語」の部分、モデルとなっているチリの激ヤバカルト集団「コロニア・ディグニダ」についてまったく予習していかなかったことがめちゃくちゃ悔やまれる。後追いでNetflixのドキュメンタリー見ます。
こんな猛烈やべえ映画を作っているのは一歳年下の二人組、写真を見てもなんかふざけてて、仕事の進め方についての質問に「絶対的な計画性のなさ」と答えるような好青年たちで、世界にはまだまだ面白い人がいるんだなあと感動。