『スラムドッグス』
ありがとうフィル・ロード&クリストファー・ミラー(いい加減覚えたと思うけど『LEGO(R)ムービー』の監督たちね)、彼らが制作したジョシュ・グリーンバウム監督『スラムドッグス』に心洗われて、嫌な映画の記憶がだいぶ薄まった。下ネタ糞尿ゲロに4文字ワードのオンパレード、マジ最高やったけど、『ソーセージ・パーティー』が無理だった人は見ない方がいいです。容赦なく下品。犬のうんことおしっこってあんなにちゃんと映していいんだと感心すらした。
マリファナばっか吸ってるロクでもない飼い主ダグに捨てられたモジャモジャ犬レジー、しかしピュアな彼はこれも遊びの一環だとダグを信じ続けるが、ノラ犬界のカリスマ(ジェイミー・フォックス最高)と出会い、自分が捨てられたことに気付き、レジーは飼い主ダグへの復讐、「奴のチンコを噛みちぎる」を決意する…。…ちょっと説明すると、冒頭レジーによる飼い主の紹介があって、ピュアな彼曰く「僕の一番のライバルはダグのおちんちん。なぜならダグはしょっちゅうおちんちんをなでなでしてるから!(←オナニーのこと)」なので、飼い主の大事なものを奪いたいのです。
レジーに賛同したノラ仲間4匹による珍道中、ソファ相手に腰を振るわ、友だちのデカチンを使って脱獄を図るわ、キノコでラリって兎殺すわ、逆に犬の好感度下がるんじゃないかってくらいにやりたい放題(ただ、犬猫を飼ってる者からすると彼らのゲロって特に汚いものでもなくて、あのゲロを食べる描写はあくまで「あるある」として面白いんですよ…)。それでも、その根底には「人間に捨てられた」というトラウマがあり、彼らの「愛されたかった」という気持ちはひたすら切ない。
ようやく辿り着いた元飼い主ダグの家で、4匹が協力し本気できちんと人間のチンコを噛みちぎるのが素晴らしい。動物を捨てる奴なんてチンコ噛みちぎられて当然よ。その上でラストは結構本気で泣かせにくる。チンコとうんこで泣かせる。いやー、今回も天才の手腕に脱帽。ほんまに一回アタマの中覗いてみたい。
余談、大きなポップコーンを抱えた隣カップルの女の子が下ネタギャグが出てくる度にロングヘアーを歌舞伎かってくらいに振り回して大爆笑してて大変微笑ましかったのだが、彼氏との意思疎通がちゃんとなされてるのかちょっと心配になった。