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12.12

『首』

入院中に見た「行列のできる相談所」に出てたたけしがやたらとご機嫌で、新作に自信があるんだろうなーと気になったので、北野武監督『首』
私は日本史が苦手で(受験はマジで山川の教科書丸暗記で乗り切った)、特に戦国時代は興味ゼロどころか、戦国武将に憧れたり「武士道」とか言い出す奴には近づきたくない。おっさんたちの揉め事に興味なさ過ぎて忠臣蔵がなんのことなのか未だに全然わかってないのですが、そんな私には理想的な時代劇映画で、ゲラゲラ笑いながら大いに楽しみました。どんな武勇伝も所詮は後の人が作り上げた美談で、実際は戦国時代もアウトレイジと大して変わらんようなしょうもない話、だと私も思うよ。
見ててちょっと驚いたのは、たけしの映画って今までこんな緩いシーン、と言うか、プロの俳優たちのアドリブをばんばん入れる監督だったっけ、と。特に大森南朋と浅野忠信とたけしが会話するたび、俳優も笑ってるけどたけしが一番楽しそうで、自由に映画が撮れてるんだろうなと勝手にほっこりした気持ちになりました。私生活で色々ありまくって、結果スッキリしたのかなと邪推。
そんなふざけた話をそもそも時代劇で、そして最近では大河ドラマでしか見ないような大掛かりな合戦シーンを撮って、相当なお金をかけて作れるのはやっぱりたけしだからなのか。
いや、やっぱりたけしは偉大な監督だ。なぜなら中村獅童をあんなに正しく使えるのはたけしとイーストウッドくらいだからだ。バカをバカとして使う、最高のキャスティング。本人多分気付いてないけど。
他の役者さんはさすがの豪華キャストでみんなめっちゃ良かったと思う。木村祐一があんなにたけしから信頼されてるとは意外だった。遠藤憲一の芝居を見てると本気で「西島さん、彼を大事にしてあげて…」と応援したくなる気持ちに。加瀬亮の信長には『GONIN』でたけしが演じたヤクザを思い出した。