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1.25

『コンクリート・ユートピア』

勝手にSFチックな映画を想像してたら全然違った、オム・テファ監督『コンクリート・ユートピア』。スティーヴン・キングの小説にありそうなディストピアものっぽい感じでしょうか。
大地震かゴジラか、一切の説明なくいきなり世界に起こった大災害(その潔さは好き)、高層マンションが立ち並ぶソウルの街もめちゃくちゃに。そこで奇跡的に唯一崩落しなかった皇軍アパートの住人たちは住人以外の生存者を追い出し、自分たちのユートピアを築くのだが…的なお話。今更韓国映画のCGや特殊効果を誉めることはしない、凄まじいレベルなのはもう常識だから。
全体的に悪くないんだけど、イ・ビョンホン演じる主導者のキャラが中途半端過ぎたか。本当の住人を殺してそのまま本人になりきることで、マジで本人と思いこむ程イカれてしまったくらいならもっと怖かったと思うんだけど、実はバレることをビビってて、最後にはヤケになる、めっちゃ普通の展開なのがやや残念。あの、泡吹いてる母親の前で息子の口に碁石詰め込んで殺害するシーンは「さすが韓国映画、エグいことするな」と笑えて良かった。でのラストのあのオモニの雑な扱いは残念。
ただイ・ビョンホン自身は、四天王時代のイケイケマッチョを経て、最近ほんまにその辺にいそうなうるさい韓国のおっさん役を上手く演じててさすがだなと感心する(ドラマ『わたしたちのブルース』とかさ)。
そして期待のパク・ソジュン、今回も特にソジュンが演じなくてもいいような役で(闇落ちとかしちゃってさ)、そろそろ映画の代表作が欲しいところ(『マーベルズ』はいいんだけれども)。なので私が韓国まで聞こえるくらい大声で訴える、チャン・フン監督、『義兄弟』ばりのかっこいい映画をソジュンで撮ってください。お願いします。