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2.03

「叛軍シリーズ一挙フィルム上映」

Jk映画のあとは叛軍映画かなと思って、アテネ・フランセで映画一揆さんによる「岩佐寿弥 幻の「叛軍」シリーズ一挙フィルム上映」へ。映画一揆さんありがとうありがとう。
20年くらい前かな、20年?!20代!?は??、当時フィルムセンターで開催されてたドキュメンタリー映画特集に通う中で、何も知らずに軽い気持ちで見た岩佐寿弥監督『叛軍No.4』(72年)。うら若き私はまだ映画にこんなことが出来るとは知らず、大衝撃を受け、元来「嘘つき」が活躍する映画(フィクションでも)が好きな者としてそのとき恋に落ちたと言っても過言でないくらいだったのです。なのでこの映画に再会することを長い間心待ちにしていたのですが、今回久しぶりにそのタイトルを目にして喜んだのはもちろん、「叛軍No.1&2&3だと!?」とその仲間の存在を初めて知り、これは見逃すわけにはいかぬいかぬと御茶ノ水へ。
初めて見る短編『叛軍No.1』(70年)『叛軍No.2』(70年)『叛軍No.3』(71年)は、No.4とはまったく異なり、どうやら反戦自衛官の裁判を傍聴する仲間たちのドキュメンタリー、なのか、これも全部嘘なのか、ああわからない(ただのクレーマーにも見えたが…)。でもさすがに『No.3』の自衛官はちょっと、ねえ。
お久しぶりですな『叛軍No.4』、細かい内容はすっぽり忘れてたけど、最高過ぎた。嘘つき映画の最高峰。
叛軍(反権力)のヒーローとして壇上で流暢に自分の兵役生活を話す元二等兵”小西誠”。彼は自分の「嘘」をその場で明らかにしていくんだけど、その内容、話の上手さ、細部の説明、感情のリアルな動き、リアルな撮影、すっかり夢中になってその姿と語りに引き込まれるがしかしそのすべてが「嘘」を信じ込ませるための生々しさだった…、って、今見ても惚れ惚れ。90分近く見てたものが信じられなくなるラスト、あんなに集中してたのに。反権力はどこ行ったん。深いのか馬鹿馬鹿しいのかもよくわからない、でもめちゃくちゃ面白い。こんな嘘つきになりたいと切に思う。
上映後の高橋洋監督&千浦僚氏のトークも、お二人とも大変わかりやすく作品の背景や岩佐監督の素顔などを話してくれて、聞けてよかった。叛軍シリーズ以外の岩佐作品も見てみたいなあ。