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2.07

『笑いのカイブツ』

NHK「ケータイ大喜利」大好きだったんですよ、なので滝本憲吾監督『笑いのカイブツ』が気になって見てみた。
「伝説のハガキ職人」と呼ばれたツチヤタカアキさんの半生。実話だというけどさすがにキッチンタイマー片手に「5秒に一本、1日2000個のボケを考える」とかはネタやろうと思ったけど、ご本人のインタビューを読むとマジだったみたいで、さすがにクレイジー。やってることのくだらなさとツチヤの狂気じみた切実さのバランスそれ自体が笑えるとも言えるんだけど。
岡山天音演じるツチヤは、いわゆるコミュ障ってやつなのかな、親や気が合う他人とはかろうじてコミュニケーションが取れるけど、それ以外の人とは挨拶も難しい。そんな彼の才能を認めてくれる芸人が現れるも、その芸人の周りにいるギョーカイ人とどうしても上手く付き合えない彼の苦悩と怒り。
岡山天音の憑依系熱演はさすがに見応えあり、ゲロ吐いたり鼻水流したりしながら自分の生きづらさを全身で表現してる姿は見てるこっちもしんどかった。確かにあんなボロボロなのに「好きなことがあって羨ましい」とか言われるとキレるわね。そんな彼を理解する、全体で10分くらいしか出演してない菅田将暉はやっぱり凄かった。
ところで、ツチヤの投稿を気に入って東京に来ることを促す芸人を太賀が演じていて、それがめちゃくちゃええ奴で、「こんな奴おらんやろ〜」と思ったんですけど、私ラジオ文化にはまったく触れてなくてよくわからないんですが、これってオードリー若林のことなの?だとしたら若林だいぶ見直した。
漫才の作家なんて他人と話してしかわからない笑いも必要だろうにこのツチヤさんは実際どうなったんだろうと思ったら、落語の作家さんとして成功してはるみたいで、なるほどその手かと納得。