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2.14

爆音映画祭

時系列無視で日記、記憶が鮮やかなうちに。
一年ぶりにお台場へ、一年前同様「爆音映画祭inユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」のために。
一本目に見たのは、Bialystocksの菊池剛さんセレクトのシークレット上映。幕が上がるまで何を見るのかわからないドキドキ企画。まず最初に松竹の富士山が出てきたから「邦画か!?」と身構えたら全然違った、ロニー・プライス監督『ビリー・ホリデイ物語』。その存在も知らない映画だったけど、これがめちゃくちゃ面白かった。数年前ピーター・バラカン先生の勧めに素直に従ってジェームズ・エルスキン監督『BILLE』見といてマジよかった。
フィラデルフィアの小さなジャズクラブでステージに立つビリー。「クラブのシーン長いな…」と思っていたら最後までクラブが舞台だった。どうやらこれはブロードウェイの演劇を収録したものだそうな。
歌いながら自分の過去を回想するビリー、徐々に様子がおかしくなるもフラフラで歌い上げるビリー、それを演じてるオードラ・マクドナルドという女優さんが凄過ぎる(今作で6度目のトニー賞を受賞したそうな)。『奇妙な果実』を歌ってるときの表情、汗、涙、鼻水の迫力と爆音で流れる歌声よ。見れてよかった菊池さんに感謝。
上映後の樋口泰人さんと菊池さんのトーク、菊池さんから出てくる言葉のチョイスに新世代を感じる(動画、配信、フォロワー…)。樋口さんの「爆音を止めるとき企画」、楽しみ過ぎる。
二本目は、F.W.ムルナウ監督無声映画『最後の人』(24年)に菊池剛さんがキーボード生演奏で音楽をつける。これも初見、見ながら「じいさん、アイデンティティがドアマン頼み過ぎるやろ」とちょっと笑ってしまったけど、家族も近所の人もドアマンじゃなくなったってだけで裏切り過ぎでさすがに不憫…。20年代ってこんな感じなの…。
そこに流れる美しいキーボード、「映画の最後にすごいサプライズがある」とのことだったのだが、数日前に樋口さんからメールで思いっきりネタバレかまされてた私は「そろそろ歌うかな」とか思いながら見てました。そう、映画の終盤で突然楽器を弾きながら菊池剛さんの歌唱が始まるのだが、その歌声がまたアホかってくらいに見事。普段歌わないの何?!ってくらいの上手さに若干引いてたら、どうも菊池さんはシンガーとしても実績がおありらしい。それなのにバンドではピアノに徹してる、才能の渋滞がエグい。眩しい。
と大満足な上映のあとは、劇場で遭遇した素敵な大人たちとごはんとお酒。青山さんがいないのが不思議だった。