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2.27

『here』『ゴースト・トロピック』

HPがひとつにまとめられてたので、書くのもひとつにまとめてみた、バス・ドゥボス監督『here』(23年)&『ゴースト・トロピック』(19年)。二作とも90分以下という素晴らしい尺。
先に見た『here』の、最初の数カットが知り合いの某監督作品にそっくりだったので「なるほど、そういう感じなのか」と勝手に思いかけたが、そこはブリュッセル、出てくる人たちがほぼ移民で、日本映画とはまた違う物語を感じさせる。肉体労働をしてるスープ作りが得意の男性、苔の研究をしてる中国系移民女性、スープ好きの仲間、フランス語を話せないおばあちゃん。
『ゴースト・トロピック』の主人公も移民の女性、深夜までビル清掃の仕事をし電車を寝過ごすもタクシーに乗るお金もなく、深夜の街を歩いて帰る。その途中で出会うホームレス、警備員、スーパーのレジ係、不法侵入者、ワンちゃん。不思議な感じのする夜の街の風景。見たことのない娘の表情。
二作品とも、幻想的なようでとても現実的で、時間はゆったりと流れるけれど、ダルくない。ひとつの場所でもっと引っ張れそうだけどあっさりと引くさじ加減が絶妙。あと、派手なことはしてないのに全然貧乏臭くないのも気に入った。大傑作!と騒ぐような映画たちではないけれど、こういう作品を撮る人の映画はこれからも見ていたい。