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4.02

『静かに燃えて』

「良かったからみんなも見た方がいいよ!」と言いたいところだが既に上映が終わった後でごめんなさい、小林豊規監督『静かに燃えて』(22年)。
監督さんが既に他界しているという情報くらいしか持たずに見て、正直最初はあの自主映画丸出しの明るい映像に「これ89分耐えれるかな…」とちょっと不安だったのですが、とんだ杞憂でした。
ひょんなことから同居することになったふたりの女性、同性に対する特別な感情の複雑さををものすごく丁寧に描いている、なるほどそういう映画なのねと…と思いかけたらまさかの展開にまんまとびっくりさせられて。明らか低予算なのに超大作かってくらいの堂々とした趣なのはこれが監督64歳にして初長編作だからなのか、今まであんまりみたことのないバランスの映画だった。次回作を見ることが叶わないとは残念無念。
おばあちゃんの住んでた家に孫が引っ越し、祖母の肖像画と自分の肖像画が同じ部屋で同じ女性によって描かれるってなんか素敵な時間の流れだなあと思っていたら、ラスト更に時間を超えてある女性の目の前にその絵たちが広がるとき、そのロマンチックな現在と過去の姿がかっこよかった。
あの催眠術士(あの催眠、有りなの!?)とかエロ上司とか、男たちは総じてキモくていい。ひとつだけ愚痴を言わせてもらうと、全体的に女性たちの服装はもっとシンプルでよかったように思う。