これはまあ、行くでしょ、と久々友たちと連れ立って映画鑑賞、オ・セヨン監督『成功したオタク』。
「成功したオタク」とは、推し（好きなアイドル）に認知されるほど熱心なファンのことで、オ監督は中学生の頃韓国の某人気歌手の「成功したオタク」（サイン会に韓服を着て行って覚えられ、その後TV番組で共演したり）だったそうだが、ある日突然推しが性犯罪者として逮捕されたことにより、その日から犯罪者のファン＝「失敗したオタク」になってしまう。
推し活が生活のすべてだった監督が自身の過去を振り返りつつ、同じような経験をした友人たちに話を聞いたり、推しを好きだった時間まで否定するべきなのかなど葛藤するドキュメンタリーで、現在Kポファンの私（たち）にはなかなか身につまされる、まさか明日は我が身かと戦慄しながら見た部分も有り。ただ、映画の中でインタビューに応えてる推し活経験者の女性たち、みんな総じてめちゃくちゃ意識が高くて非常に感心。日本のオタクもこうありたいものです。
ドキュメンタリーとしてはインタビュー対象が単調で、もうちょっと色んな方面からの意見や問題提議も聞きたいなと思わなくもなかった。だからなのか、唐突に登場したパク・クネ親衛隊みたいな人たちの「推し活」？（即時釈放要求デモみたいなの）の異様さが際立って興味深かった。あれは初めて見た、安倍に対するHanadaみたいな集団か。気持ち悪くて怖かった。
見ながら思い出してたのは、私が成功したと言えなくもないオタ活はやっぱ中高時代のお笑いの追っかけで、推し（そんな言葉はまだなかったが）の芸人に手紙を渡したり出待ちの際にお喋りしたり、まさに監督と同じく生活のすべてであった。さすがにその情熱は消え追っかけ活動はしなくなったけどお笑いというジャンルはずっと大好き、面白い芸人には敬意すら抱いている、と自信を持っていたところに、松本人志の問題が起こり、その辺りのこの映画との類似性はちょっと笑ってしまったほど…。誰かが松ちゃんファンたちのドキュメンタリー作ってくれたら私のモヤモヤもちょっと解消するのかな…。しばかれるか。