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5.17

『辰巳』

一切の情報を持たず見に行った小路紘史監督『辰巳』がめちゃくちゃ面白くてテンション爆上がり。東野(幸治)ありがとう。不覚にも監督の一作目『ケンとカズ』(16年)を見逃した私、配信になくて泣いてる。
孤高のヤクザ・辰巳は元恋人である京子の殺害現場に遭遇、その場にいた彼女の妹・葵を連れて犯人から逃げる。その葵の生意気っていうか無茶苦茶な性格からあれよあれよとヤクザの揉め事に巻き込まれる辰巳、姉の復讐に燃える葵、ふたりを狙うヤクザたち。
冒頭から凄い勢いの殴り合いアクション、その迫力にど肝を抜かれて「うおお」と慄いてたらマジ最後まで慄きの連続で痺れる緊張感でございました。108分間ほんまに無駄と感じる時間がなかった、映画見てこんな感じは久しぶり。
基本出てくるのは全員ヤクザの犯罪映画、だから暴力描写も多々あるけれど無駄に生々しいグロい映像(個人的に超苦手)は一切なく、映画全体はむしろ上品な印象。それでも悪い奴らはマジで怖いと伝わってくるのは、ロケーションとか役者の使い方とか人の死に方がとにかくリアル。竜二役の役者さんなんて登場した瞬間「絶対近づきたくない」と思わせる強さ(ご本人が映画初出演ってがまた凄いけど)。車の修理工場なんかもなんの仕掛けもないのになんでか怖い。
ヤクザ男が少女を助けてふたりで逃亡、という展開自体は特に新しいものでもないけれど、間違ってもキモいファンタジーになっていないのは、葵という未成年少女がとことん自立したひとりの人間として扱われているから。それが見てて気持ちいい。
登場する役者さん初めて見る人ばっかりやな…と思っていたら今まで自分が見てきた映画にばっちり出演してた人たちで、でもここではヤクザはヤクザにしか見えなかったのよマジで。
とにかく巻き込まれまくる主人公がなんか笑えるし、アクションは引くほど上手いし、女の子は輝いてるし、胸熱やけどダサくないし、辰巳はだんだんめっちゃかっこよく見えてくるし、わざわざ名前を挙げて比べることはしないけれど、ここ数年に見たバイオレンスやヤクザを扱った日本映画とはちょっと比べ物にならないのでは。見るべし。