5.22
『恋するプリテンダー』
このラブコメ不遇時代にアメリカで大ヒットしたラブコメ映画と聞いて楽しみにしてたけど監督の名前を知って納得っていうか当然っていうか、ウィル・グラック監督『恋するプリテンダー』。ウィル監督の映画が素晴らしくないわけがないんだから。『ANNIE/アニー』(14年)は劇場に2回見に行ったもんね。
コーヒー屋さんの出会いから笑わせるしロマンティックやしで完璧、そのあともとにかくアッパーな音楽、ハイウェイの空撮、アホな友だち、とイケてるラブコメ要件を楽々クリア。ほどよく下品だけどラブシーンは美しく。エンドクレジットで泣けるのもわかり過ぎてて最高。
脚本がかなり緩いけどこういうのもラブコメっぽくて懐かしい…と思っていたら、本作はシェイクスピア「から騒ぎ」まんまのストーリー(キャストの名前まで同じ、らしい)らしく、日本のキラキラ映画にはない知性が眩しい。
オーストラリア在住夫妻が妙にスピってんのがツボだった。あのバカマッチョのバタフライも笑った。姉の同性婚は祝福するけど行き遅れ(酷い言葉や)の姉には結婚のプレッシャーをかけまくる両親、アメリカ人も色々大変やなと同情。元カレ連れてくるとか、マジないわ。
主人公のシドニー・スウィーヒーちゃん、『マダム・ウェブ』の眼鏡ちゃんだったのね。美形というより表情が可愛いタイプの、ラブコメ向き女優だと思うので今後にも期待。相手役のクレン・パウエルくんもニヤケ系イケメンマッチョの正しい使い方だと思います。この二人の格差(エコノミーとビジネス)が話に絡むかなと思ったけど、それはあんま関係なかった。
と、基本的には大満足ラブコメ映画の復活を祝したい、が、めちゃくちゃなワガママを言うと、アメリカのラブコメは舞台がアメリカがいいかな…。なんとなく…。