『悪は存在しない』
ようやく見た、濱口竜介監督『悪は存在しない』(出遅れたのはただの怠惰…)。公開から結構経ってるけど平日の昼間のミニシアターは老若男女でなかなかの賑わい。すごいね。
長野県の小さな町、自然豊かなその場所で暮らすひとりの便利屋の男と8歳の娘、そこに東京からグランピング施設を計画する会社が出現、説明会を設け地域の人たちと話し合いの場を持つのだが…というストーリー、なのか?なんか、こういう映画久しぶりに見たなあってのがあの衝撃のラストを目撃してのぼんやりとした素直な感想。きっとものすごく映画について考えられていて、そしてそれは多分すごく貴重なことなんだろうけど、私はそういうことを理解したり分析したりできるようにはできてないもんだから、「この映画の本当の良さを私はわかってないんだろうな…」と思いながら見る感じ。伝わるかしら。だからラストの意味とか全然わからなかったし…。鹿がうんぬんより「8歳児をひとりで帰宅させる学童、明日は保護者やマスコミから責められて地獄やろな、先生方不憫…」ってことの方が気になってしまったし…。無念。あ、でもこないだ行ったキャンプで、深夜人間たちが寝静まったところにガチもんの鹿が現れたのを目撃して、「鹿の通り道」ってのを肌で感じたところだったので、そういう話はちゃんと理解できた、はず。
なので普通に、あの東京の会社でリモート会議するコンサルに爆笑したり、社員ふたりの車の中のやりとり(マッチングアプリ最高)に爆笑したり、人が集まる説明会のシーンはやっぱり面白いなと感心したり、そんな感じでしか見てないけどそれはそれで面白かった。本来はスタッフだったという便利屋役の大美賀均さん、この映画の特に何もしてないのに不穏な感じが素晴らしかった。娘役の西川玲ちゃんも子どものような大人のような、油断できない感じが怖くて良き。うどん好きとしては綺麗な水で作ったうどん(蕎麦なら信州とかで食べたことあるけどさ)が気になって気になって。