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6.25

『違国日記』

原作漫画は第一巻を読んで「作者が思ってることを作品の主人公に言わせる系か、苦手系やな」と感じたのでそれ以上読むことはなく(我ながら最低な読者…)、映画化されると聞いても「説教くさい作品やったら嫌やな」と思っていたのだが、瀬田なつき監督『違国日記』はさすがにそんなことはしないのであった。
前半のお葬式のシーンでのガッキーの一言であっさりと「説教くさいこと」は片付けてくれて、そのあとは「ほとんど知らない親戚の叔母さん」と「両親を亡くした15歳の女の子」の突然の同居生活を丁寧に、それぞれの生活とふたりの共同生活を通して近づいたり離れたりする様を優れた演出で見せてくれ、ふたりの過去を決して安易に回想シーンを使わず、あくまで「いま」の日々を描くことで時間の重なりを感じさせるのはとても良かった。良かったのだが、さすがに139分はちょっと長いかな…。主人公の新垣結衣クンも早瀬憩クンも出てる役者はみんなすごく良いうえにさすが瀬田監督と笑ってしまうほど制服姿の女の子たちが輝いてるしで、それを見てるだけで飽きることはないんだけれど、このいちいちの間の長さに毎回付き合うのはちょっと疲れた。
いやしかし過去の監督作はほとんど拝見してる瀬田監督の作品の中で、今作が一番好きかな。主人公がポップなキッズたちから悩める人々になっても監督らしいポップさは決して手放さず、でもぐっとそれ以外の感情も豊かになっているような感じがした。よかよか。