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6.26

『左手に気をつけろ』

監督のファンなのに前作『こどもが映画をつくるとき』(21年)を見逃したまま、井口奈己監督『だれかが歌ってる』(19年)&『左手に気をつけろ』(23年)を見て、あれこんな感じの監督さんだったっけかと驚きもありつつ、すごくおもしろかった。シネフィルしか見てないなら残念過ぎるよな。
『だれかが歌ってる』は何気に残酷な恋愛映画で、『左手に気をつけろ』は何気に子どもが恐ろしい映画だったけど、ふたつとも多分同じような場所で撮影されていて、昨今の映画の風潮だとあの街やあのカフェや大学に役割りがありそうなもんだけど、ここではそれらはとことん匿名化されていて、それらを縦横無尽に移動しまくる主人公は、千鳥(漫才師)が自分たちの代表作と認める「いろはに千鳥」(テレビ埼玉)での、マジでどこにでもありそうな駐車場から始まるロケ番組に似て、野蛮に自由に開かれていて、世界のどこでも映画(番組)が作れてしまうんじゃないかこの人と感動してしまった。あ、「いろはに千鳥」はTverでもDVDでも見れます。
やっぱり子どもたちの輝きは両作とも素晴らしく、女の子たちは恋をしていて(ややストーカー気味でもあったが…)、衝撃のマダムロスのかっこよさに、大人が本気で楽しんでる感じが伝わってきて、子どもたちの映画を見ながらやっぱ大人は最高やなとしみじみしたのでした。