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7.02

『アンゼルム ”傷ついた世界”の芸術家』

久しぶりの3D、しかも最近20年前に受けたレーシック手術の効果が落ちてきて映画見るときはメガネをかけてるので人生初のダブルメガネで、ヴィム・ヴェンダース監督『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』を鑑賞。ヴェンダースてひとり3D頑張るよね。
アンゼルム、という芸術家は名前くらいしか知らなかったんだけど、映画の冒頭に映る幾つかの作品を見てそのスケールのでかさと物理的なでかさに度肝抜かれる。そのでかさで表現されるのは色んなかたちの戦後ドイツの姿。それを3Dで見ることの没入感が凄くて、これは良い3D。
一応ドキュメンタリーだけれどヴェンダースと旧知の仲というアンゼルムさんのプライベートな姿が収められるわけでなく、むしろ戦争が終わった年に生まれたアンゼルムの青年期、少年期がそれぞれアンゼルム本人の息子やヴェンダースの孫甥によってフィクショナルに演じられていて、3Dの感触と映画の中の時間の重なりとが混ざって歴史や時間の流れが立体的に見えてくる、これは3Dで見てよかった。
内容的に決して明るくてハッピーなものではないけれどヴェンダースが楽しげに作ってるのが伝わってくるのもよかった。アンゼルムさんはお歳のわりには若々しいビジュでびっくりしたけど、あんな作品作るのめっちゃ体力要りそうやし、めっちゃ筋トレしてるんだろうな。