『インサイド・ヘッド2』
前作が好きっていうかあまりにすごいことをやってしまっているピクサーさんに震え慄いたのにまさか2まで作るとはと、ケルシー・マン監督『インサイド・ヘッド2』を吹き替えで。公開からだいぶ経ってるのに場内は親子連れで大盛況。
前作では転校先の小学校に馴染めず家出とかしちゃったライリーちゃんも今作では高校生に。大好きなアイスホッケーの合宿に親友ふたりと参加するも、ライリーの頭の中には今までのヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリの他に見たことのないメンバー「シンパイ」「イイナー」「ダリィ」「ハズカシ」という感情が姿を現し、ライリーはいわゆる「思春期」へ突入。自分でも自分のことがわからないライリーの感情たちは大混乱。
感情がその人間を作るわけではないけれど、過去の感情、その感情を生んだ記憶の蓄積がその人の一部となる、という前提をさらっと説明し(その時点で号泣)、感情の動きを視覚化しつつもその感情たちの感情も刻一刻と変化する人間の複雑さをものすごいスピードで見せる(本編96分)。退屈したり飽きて騒ぎ出すキッズはゼロ。これはマジですごい。
やってることだけで十分すごいのに、思春期女子の表現の上手さ、見ながら「思春期、自分もこんなんやったな…」と思わずにいられない行動や、意味不明過ぎる可愛くない二次元アニメキャラ、四次元ポケットならぬ「ポーチ」の活躍、日本のゲームから飛び出してきた馬鹿っぽい男子キャラクター、そして前作に続き二次元アニメーションの使い方とか、かなり攻めたことまでやっていて、ピクサーさん、色々問題のある会社だけど認めざるを得ない圧倒的頭脳とセンスに今回も完敗。完全に負けよ。
劇中では「シンパイ」(声優が多部未華子って、クレジット見るまで絶対気づかない。お見事)が暴走して大変なことになっていたが、私の脳内では「ダリィ」が過剰に発達してるんだと思う。だから常に怠いんだわ。
あとこれを見ると、猫がさっきまで甘えてきてたのに次の瞬間本気で噛んでくるメカニズム、本当に頭の中こうなってるんじゃないかと思わざるを得ない。それなら仕方ない。