『ロボット・ドリームズ』
アロハオエ〜。約10年ぶりに訪れた15?20?回目のハワイは、1ドル160円のおかげでまるで初めて訪れる街のような、なかなか刺激的な旅でございました。それでも11月だというのに結構な数の日本人観光客がいて、みんなお金あるのね…。コロナ禍で完全に日本人が来なくなった数年間で街は結構変わっていた。
予告を見たときから気になっていたパブロ・ベルヘル監督『ロボット・ドリームズ』。ハワイってる間にだいぶ話題になってたっぽいね。
NYはマンハッタンに住むひとり暮らしのDOG君、TV通販で見かけたロボットを自分の友人にするために購入し作成し、ふたりは美しい友情を育んでいくのだが、夏に出かけた海水浴で海に入ったロボットは錆び付いて身動きが取れなくなる。DOG君はなんとか彼を修理しようとあれこれ頑張るのだが…、という物語が可愛くてセンスの塊みたいなアニメーションで描かれます。
単純なのに豊かなキャラクターたちの表情、オシャレな色彩感覚、ウキウキする音楽たち、素晴らしい。特に、実写映画で見るよりも「これは私が知ってるNYだ!」と感じる街の存在感がほんとに見事。なんであんな空気が出せるのか。これは是非見て感じてほしい。そしてアニメーションならではの、スクリーンをあんな風にしてこんな風にする仕掛け、この監督は多分天才なのでこれも見て確認するしかない。
お話についてはもう、これこそとにかく見てとしか言いようがないんだけれど、これ実写で人間が主演とかだとリアル過ぎて辛いかもね…。砂浜から動けないロボット、季節が変わりビーチに入れなくなったDOG君、はなればなれになったふたり。一体どうなるのかとドキドキ不安な気持ちで彼らの行く末を見守り、このラストに拍手。大切な人を失っても、その喪失感にウジウジもじもじ過去の記憶にしがみつく輩とは真逆に、誰かを失っても人生は続く奇跡は何度でも起こると信じる世界。
とか言って。劇中しつこいくらい繰り返しEarth,Wind&Fireの「SEPTEMBER」が流れる意味にまったく気づかなかったんですけどね…。