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2.22

『アイ・ライク・ムービーズ』

公開時話題になってるなってことは気付いてたけどイマイチ興味が惹かれずスルー、今回たまたまタイミングよく上映してくれてたので見てみた、チャンドラー・レヴァック監督『アイ・ライク・ムービーズ』。面白いねこれ、見てよかった。
03年が舞台、カナダの田舎町に暮らす映画オタクの高校生ローレンス。こいつがほんまに映画オタクの嫌なところをギュッと濃縮したようなガキで、映画オタクあるある映画を人よりも見てるってだけでなぜか自分は他の人間より偉いと思い込み友だちも母親も女の子も見下し、「映画のため」ならなんでも優先され許されると考え、都会にさえ出れば自分は立派な映画監督になれると信じている典型的な奴なもんだから、見ながらマジでイライライラ。舞台が田舎町だからかこいつが好きな映画の趣味もなんだか薄っぺらいし、礼儀も常識もないからトラブルばっかり起こすし、こういう男の子を「不器用」とか言って優しく見守るのは嫌いよと思いながら見てたのですが。
監督は女性で、今作には自伝的要素が入ってるとのことですが、それはどういう意味なんだろうか。終盤、ローレンスは少し心を通わせたかに見えたバイト先(レンタルビデオ屋)の女店長に猛烈に痛烈に真正面から批判され、文字通り打ちのめされるのだが、監督の身近にこういう男の子がいたってことかな。それには心の底から同情したい。
打ちのめされたローレンスがそこから取る行動がなんとも素直で健気で、最終的にこの少年の幸せを願いたくなるような、よく出来た成長物語であった。(まあ現実のオタクはこんなに物分かりよくないってことも知ってるけど)。ほんと、映画はラブじゃなくてライクくらいが丁度いいわあね。