『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
おひさ。大阪〜東京〜ソウルを経てようやく、竹清仁監督『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』へ。ギンビス社のお菓子といえば断然「アスパラガス」派で、たべっ子どうぶつは子どもの頃含めあんまり食べた記憶がないんだけど、なんとなく気になって(冷静に考えると90分使った自社お菓子の宣伝とも言える狂った映画、原作の表記は「ギンビス」)。
冒頭、スイーツランドと呼ばれる世界で大人気アイドルである「たべっ子どうぶつ」たちのライブシーン、見事な3DCGで表現されるアニメーションが普通に良くてテンション上がる。日本の3DCGも立派になったのね。
たべっ子どうぶつのリーダーであるらいおんくんを中心にそれぞれ個性のあるキャラクターたちが、突然スイーツランドに現れた「この世のすべてのお菓子を排除して世界征服をもくろむ凶悪なわたあめ軍団」に囚われてしまった仲間のぺがさすちゃんと世界を救うために立ち上がるも、彼らには戦闘力なんてない。なぜならお菓子だから。さあどうする。
脇役としてポリンキーやうまえもん(うまい棒)が出てきて喜ぶのはアラフォーだけなんじゃないかと思いつつ、はじめはかなりウザかったらいおんくんが仲間のために立ち上がる姿、敵だったはずのゴッチャンの本音。わかりやすく上手い展開だし、ぺがさすちゃんの歌声には不覚にもちょっとうるっとしてしまったりもした。
そして敵と対峙するとき、お菓子の彼らにできること、敵から仲間を守るためにお菓子がやるべきこと、その選択はかなり素直に感心、非常に今っぽい物語の展開で、これは子ども向けアニメとしてすごく良いんじゃないでしょうか。あと100人くらい天才を集められたら『トイ・ストーリー』に近づける可能性はある(褒めてる)。
が、物語は急転。まさかの仲間と思われた人間の正体。マッカロン教授というキャラクター、途中で黒沢清監督『ドッペルゲンガー』の役所広司みたいになってたけどあれは子どもに見せて大丈夫なのか。思いっきりどうぶつクッキー握りつぶしてたけど怖過ぎないか。生み出したバケモノもヤバ過ぎるやろ。気になるあなたは是非劇場へ。
実は嫌いじゃない松田元太の声優、一流のプロ声優に囲まれる中逆にあの素朴さは悪くないと感じた。ぺがさすちゃん役の高石あかりクンは普通に上手でびっくり。さるくんの藤森には気づかなかった、ってことは上手いのか。
どうぶつたちのアニメーションは可愛くお見事だったのだが、人間のキャラクターが悉くスマホゲームのキャラみたいだったのはやっぱりまだそこまでは力及ばずなのかな。頑張ってほしい。