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6.10

『新世紀ロマンティクス』

公開からまあまあ経ってるのに結構お客さんが入っててそんなに人気なのかと驚いた、ジャ・ジャンクー監督『新世紀ロマンティクス』。今回も初めて聞くミュージックがたくさん聞けて楽しかった。
ジャ監督作品でお馴染みのチャオ姐さんの2001年から2023年のコロナ禍までの22年間、自分の元を離れ戻ってこない恋人ビンを探して街と仕事を転々とする。変わっていく中国とふたりの関係。
監督の過去作の映像や当時撮影されたドキュメンタリー映像を交えながら実際に24歳、29歳、45歳と歳を重ねていくチャオ役のチャン・タオの姿を目撃するのはさすがに相当変なことやってるなとびビビる。やっぱり監督と夫婦やから実現できたのかな。
一見全然関係のない映像がブツブツと繋がっているようで、でも見ていて不快感や退屈は感じず(国の発展と反比例するように老若男女が前半の方が元気なのが気にはなった)。コロナ禍に入る前からコロナ禍状態みたいな(ソーシャルディスタンスを守ってるような)チャオはいつどこにいてもマスクの意味がないくらい言葉を発さないのにビルは建ちダムは造られ街は勝手に変わっていくし男は勝手に消える。ようやく男が自ら目の前に現れたとき、もう取り返しがつかないことは明らかで、でも時間ってそういうもので、でも22年をかけないと実感できないものだという、当たり前だけど身震い(チャオさんが異様に老けてないのはやっぱり女優さんだからなのかしら…)。
しかしいつの時代も女は歌って踊って笑ってるのに男はせこせこカネを稼ぐことしか考えてないのが大陸っぽくて笑った。