9.19
『8番出口』
退院もしたしようやく猛暑も落ち着いてきたので久しぶりに映画館に向かい、川村元気監督『8番出口』を見に行った。平日なのに結構混んでてびびる。
元となってるゲームのことは全然知らないけれど、平凡な中年男性がひょんなことからループする無限回廊に迷い込み、そこからいかにして抜け出すか、という単純な話。でもこれがほぼ「イカゲーム1」と同じ内容だと気がつけば、ヒットするのは当然のことかと納得。事実途中までは面白くはないけどつまらなくはないし、ループ状態の地下通路というほぼワンシュチュエーションなのに飽きさせない魅力なんだこれは川村元気ってこんなこと出来たっけ…と訝しんでいたら、どうやら共同脚本の平瀬謙太郎氏は佐藤雅彦研究所出身の方らしいですね…。
79年生まれ(監督&私)なんてまさに佐藤雅彦の影響を受けてないわけがないし、「広告批評」が愛読誌だった女子高生の私は90年代後半オザケンが表紙の「東大ってなんだ?」特集の号でオザケンと佐藤氏の対談の内容もはっきりと覚えている。そのCMやデザインの人として記憶していた佐藤雅彦の名前とまさかこんなところで再会するとは想定外過ぎて正直だいぶ悔しい(最近は映画監督もしてるらしいが)。だって私、住友銀行のくまのバンクーグッズまだ使ってるもん。
佐藤雅彦一派のデザインと「イカゲーム1」とネットゲームという最近の流行を押さえて、後半は観客が求める感動ストーリーに持っていく(この「イカゲーム」との違いがかなりつまらないんから結局ダメなんだけど)。ヒット映画を量産して自覚のないまま元気キッズみたいな若手監督を産んでおきながら自分はあっさり今までとは違うステージに行くだなんて、酷い男やで。