10.22
『国宝』
同胞の映画がアホみたいにヒットしてるぞ!と今さら、李相日監督『国宝』に駆けつける。公開からだーーいぶ経ってたけどまだほぼ満席で、これはさすがにすごいね。
そこまでヒットしてるってことはほとんどの人がもう既に見てると思うので私が何か言うことも特にないんだけれど、面白いとは言わないけれど、今まで見た李監督の作品の中では一番好きかな。御本人は何かのインタビューでその関係性を問われてもぼんやり誤魔化してたけど、「血のせいで本物だと認めてもらえない男の物語」ってのは在日朝鮮人の監督が撮って正解だと思った。嫌な世界やで。
歌舞伎にはとんと疎く、劇中で流れた演目もほとんど知らないものばっかりだったので、「亮も流星もめっちゃ頑張ってるな〜」くらいにしか感じられなかったんだけど、でもさあ、これは見た人全員絶対思うと思うけど、一回はあのふたりが濃厚なキスくらいするべきよね!?別に同性愛の話にしろってんじゃなくて、お互い子どもの頃からあんなに美しい存在が目の前にいて、その顔に近づきたいと思うのが自然なんじゃないのかしらん。やっぱ日本のメジャー映画では無理なのかしらん。中島丈博先生のご意見に異議なし。
しかし、大掛かりなセットに豪華な役者たちの気合の入った芝居、全体的に重厚な雰囲気を出したい!ってのは伝わるけど、どこまでもペラい、昭和の話にはまったく見えないのは何故なんだろう…。もう時代劇って無理なのかなあと思ってしまった。中盤で高畑充希が使う赤いタータンチェックの傘、あれだけが昭和だった。
最近はもうこの年頃の女性の役は全部有村架純でいいと思っているので、高畑充希も森七菜も宮澤エマも有村架純でいい。