12.08
『グランドツアー』
もちろんこの私がポルトガル映画の歴史や問題に精通しているわけもなく、それでどうやら凄いらしいくらいの話は耳に入ってくるミケル・ゴメス監督の作品をただただタイミングが合わず今日まで悉く見逃していたのだが、今回ようやく見られるとはりきってヌーヴォXさんに向かった『グランドツアー』なのですが。
まあ期待し過ぎたのがよくなかったのか、1918年のヨーロッパ人カップル、アジアを横断して逃げる男と同じ航路を辿って追いかける女。そこに挟まれるふたりが訪れたはずのアジアの風景はどう見ても現代。
そこに時間と空間を自由自在に行き来する映画のマジックを感じなければならないのかもしれないが、私にはどうしても映画のために今アジアで生きている人たちを利用しているヨーロッパ映画にしか見えなくて、こういうの好かんなあとイライラしながらの鑑賞になってしまったのでした。無念。たとえ記録映像のつもりでカメラを街の人たちに向けたとて、こんな風に使ったらそれはもう記録ではなくこの作品の一部になるわけで、さすがに記録映像だと思って撮られていた人たちにただ嘘をついてることになると思うだけど。ほんでこの主人公の男結構マジ最低やし。野良のパンダだけは良かった。

