12.15
『はだしのゲンはまだ怒っている』
友人がこんな映画に関わっているなんて誇らしい気持ちで、込山正徳監督『はだしのゲンはまだ怒っている』を鑑賞。「はだしのゲン」は数年前に初めて読んだクチだけど、「こんな漫画が70年代にはもう存在していたというのに、なんでこの国はこんなことになっているのだ?」という大きな疑問を抱いた記憶。ただ今作は、「はだしのゲン」を読んだことがない人でも全然大丈夫な内容なのでビビらず見に行ってみてほしい。
広島に原爆が落ちた日を6歳で体験してる作者の中沢啓司さんが描いた自伝的漫画「はだしのゲン」、そこに込められたアメリカ、そして日本に向けられた怒りを伝え続ける活動をしてる広島でフィールドワークを続けている女性やこの漫画を英語に翻訳するためにPC技術がない時代に手作りで尽力した男性とアメリカ人男性、ゲンの姿を語り続ける講談師、そして18歳のときに被爆した男性。彼女/彼らの話す言葉には納得しかなく、むしろゲンと同じくみんなも怒っている私ももっと怒らなければと心底思う。
が、最近のある頃から学校の図書館から「はだしのゲン」が消えたり、ゲンを否定する言説が現れてくる…というくだり、ここはもっとはっきりと「安倍政権になってからウジ虫みたいにネトウヨが湧いてきた」と言っちゃっていいんじゃないのかなと思ったけど、基本TVで放送される作品にそれは難しいのかな。
いい歳して(原爆経験者)「はだしのゲン」を嘘だと否定し、トンデモな歴史観を語る元サンケイ新聞記者の語りにうんざりしていたところに、元広島市長の真っ当な言葉にホッとする。
「はだしのゲン」に出てくる朴さんが今の日本を見たらあまりにも戦中と変わってないどころか悪化してる姿に呆れるだろうな…。

