10.02
ホトホト電撃
既に試写で見せて頂いてるけど癖になる味大工原正樹監督『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱(こ)を使う』 をもう一度見に夜のオーディトリウムさんに行ったらえらく盛況で何より。
このタイトルからは相変わらず想像のつかない怖いけれどなぜかキュンとさせられる内容とチャーミング過ぎる長宗我部陽子さんとくたびれた千葉の町の面白さはについては一度書いたので省略させて頂きますが、ほんとつまらないメジャー日本映画を見るお金と時間があれば絶対こういう作品を見た方が人生のためかと思われます。
そしてプロジェクトDENGEKIと名付けられた若手監督たちの併映作品のひとつである渡辺あい監督『電撃』も一緒に見たのですが、これがまたびっくりする程面白く。今回の上映のために作られたという36分の作品、初監督作とは思えない上手さと大胆さに見てて勝手に嬉しくなってしまいました。監督がキルスティン・ダンストに似ているのも私好み。
内容や雰囲気は、上映後の渡辺監督×古澤健監督×屑山屑男さんのトークショーでも思いっきり名前が挙がってたけど、キム・ギヨン『下女』や土曜ワイド劇場、またはドロドロ系昼ドラを思い出させる不穏な世界。すごく映画向きな一軒家を舞台に生きてるんだか死んでるんだか分からないちょっと狂った家政婦とイケメン小説家とその妹の三人しか出てこない一歩間違うとギャグにもならないどフィクショナルな空気は映画美学校の講師陣の影響が大きいんだろうけど、全然そこで止まらずに暴走してて素敵。キャスティングの見事さにも感心致しました。『ホトホトさま』は10月8日(土曜)までの上映なので駆けつけるべきなのはもちろん、『電撃』が併映されるのは5日(水)と最終日8日だそうなので都合が良ければ見てみることをお勧めしますよ。