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10.17

瀬川昌治デー

今年の始めフィルムセンターで出会ってしまって以来、瀬川昌治監督の作品をまとめてみることを渇望していたら、ラピュタ阿佐ヶ谷さんが特集上映組んで下すって。ありがたやありがたや(そのわりには先週から始まってたことうっかり忘れてたけど…)。

『馬喰一代』(63年)、コメディ映画の監督と思ってたのに、親子の人間ドラマものでやや驚くも、かっこいいシーン満載やわえらい泣かされるわで大満足。フィルムの状態が悪すぎたことだけが残念。

無学で愚直で喧嘩っ早い主人公が男手ひとつで息子を育てる物語。戦前の北海道の田舎が舞台だけど、現代の東大阪辺りの町工場に設定を移してリメイク出来るんじゃないか、と一瞬考えてしまった。

ちょっとどうかと思う程色男な若かりし頃の三國連太郎の、決してスマートではないけど頑張りまくりな芝居につい涙。感情を抑えきれない時に奇声を発しながらスキップするとか、でかい体が泣かす。冒頭とラスト、馬に乗って走る姿もかっこよし(途中明らかに別人過ぎたけど)。主人公が恋する新珠三千代の影のある美人っぷりがまたほんまにキレイでため息。終盤突然吐血した後どうなったのかはかなり気になるけど…(フィルムが切れてたのかな?)。

で、涙々した後は『アッと驚く為五郎』(70年)で気分転換。ハナ肇も為五郎も全然知らんけど、冒頭で為五郎が五男だと知って勝手に親近感。

こういう、この年代特有のなんでもありのコメディは嫌いではないので素直に笑って楽しむ。今見ても全然笑えるからすごい。かなりブラックな笑いやけど。谷啓がかわいくて、ミヤコ蝶々がかっこよくて素敵。ラストの、ヒッピー(西洋乞食)とヤクザの抗争にしびれる。

と、たった2本でこんなに違った映画を見せられると他のものが気になって気になって仕方ない。通える限りは通いたいなー。